平成29年度黒松内町教育行政執行方針

Ⅰ はじめに
 変化の激しい社会情勢の中、教育に関する分野におき
ましても課題の複雑化・多様化、地域社会のつながり・
支え合いの希薄化、家庭の孤立化などの様々な問題に直
面しております。
 その中で、教育に求められているものは、自立した人
間として主体的に判断し、多様な人々と協働しながら新
たな価値を創造する人材を育成していくことであり、一
人ひとりが活躍し、豊かで安心して暮らせる社会の実現
と、社会の持続的な成長・発展を目指していくことであ
ります。
 本町においては、次代の郷土をつくる人材の育成に努
めるとともに、地域で家庭を支援し子育てできる環境づ
くり、子供の心と学びを育てる学校教育、学び合いを通
じた地域づくりを、黒松内町教育大綱を基に町長部局と
連携して教育施策を進めてまいります。

 

Ⅱ 主要施策の展開
 次に、平成2 9 年度の主要な施策について申し上げます。

1 子供の未来をはぐくむ家庭教育
 家庭は教育の原点であり、全ての教育の出発点である
ことを踏まえ、子供の社会性や自立心などの育ちをめぐ
る課題に地域全体で向き合い、親子の育ちを支えて行く
ことが大切であります。
 このためには、学校や子育て経験者をはじめとした地
域人材など、多様な方々が連携・協力して親子の育ちを
応援していくことが重要です。
 幼児期から学齢期まで連続性のある質の高い子育て支
援を提供し、子育て支援グループを中心に町民のニーズ
に寄り添った支援を進めてまいります。
 母子保健では、子育て世代包括支援センターを中心に、母性や乳幼児の相談・訪問指導・健康診査等を充実し、新たに不妊治療費の助成により経済的負担を軽減するなど、安心して子供を産み、健やかに育てることのできる環境づくりを推進してまいります。
 児童福祉では、支援センターに児童相談などの基本型
の業務を加え、妊娠期から学齢期までのライフステージ
ごとに利用可能な事業・サービスの情報提供を「子育て
支援ガイド」として作成し、子育て事業等を円滑に利用
できるよう、また、黒松内保育園及び地域子育て支援セ
ンターとも連携を深め、当事者目線の寄り添い型の支援
を実施してまいります。
 昨年、就学前のお子さんを持つ子育て世代から要望が
ありました子育て一時預かりサービスを、継続して取り
組んでまいります。

 出産祝い金につきましては、子どもの出産は、町の
「宝」であることから、町全体でお祝いをする意味も込
め、第1 子から対象を拡大し、第1 子5 万円、第2 子1 0万円、第3 子以降2 0 万円を支給いたします。
 放課後児童対策事業については、児童館・児童クラブ、放課後子ども教室等において子供たちが安全で健やかに活動できる環境づくりに努めてまいります。
 障がいのある子供についても、一人ひとりの障がいの
状態やニーズに応じて、その可能性を最大限に伸ばし、
自立と社会参加に必要な力を培う特別支援教育を進める
とともに、適切な指導や支援を切れ目なく提供してまい
ります。
 青少年の健全育成につきましては、学校・家庭・地域
がそれぞれに持つ教育力を生かしながら、子供たちの安
全確保や非行防止に努めてまいります。

 

2 子供の心を育てる学校教育
( 1 ) 「生きる力」の育成
 学習指導要領では、「生きる力」を育むことを理念と
してまいりました。それは、知・徳・体のバランスのと
れた力のことであります。
 「確かな学力」「健やかな体」「豊かな心」を総合的
にとらえ、深く学びたい子にはより深く学ぶ場を設け、
社会における様々な場面で活用できる力を育てるため、
町営塾を設置し連携してまいります。
 2 年目に入りましたI C T 環境整備につきましては、多様な学習と子供の姿に応じて自在にI C T を活用しながら授業設計を行い、学習面と校務面の両面で積極的な活用を図ります。また、情報セキュリティを確保し、その整備を確実に進めてまいります。
 また、学習支援員の配置や黒松内小学校改修工事など
の学習環境の整備、スクールバスの更新、黒松内中学校
開校7 0 周年記念事業に対して所要の経費を計上いたし
ました。

 

( 2 ) 地域と共にある教育の推進
 子供の「生きる力」を育むための教育は、学校だけで
行われるものではなく、学校・家庭・地域が相互に連携
しつつ、社会全体で取り組むことが不可欠です。
そのためにも、地域社会とつながりのある教育課程の
編成や授業の展開が可能になるような条件整備に努めて
まいります。
 本町は以前から、多くの方々から学校教育活動への支
援をいただいてまいりました。しかし、子供たちを地域
全体で育てていくためには、これまで個人や組織、それ
ぞれの学校支援活動であったものを、横のつながりを強
化することで、より効果的で持続可能な体制を作り上げ、地域の人々と目標やビジョンを共有し、地域と一体となって子供たちを育むことが求められています。
 その運営主体となるコミュニティ・スクールは、平成
3 0 年度を目途に導入を目指し、既に取り組まれている学社融合共通理解事業や学校地域支援本部等を踏まえ、学校と地域との組織的・継続的な連携・協働体制を確立するべく検討してまいります。
 本町には、「本物で学ぶ」ことができる教育素材の資
源が多くあり、学校における系統的で継続的な学習を展
開するために必要な情報を提供し、小中連携した教育を
推進しながら、自ら育った黒松内の良さを実感する児童
生徒を育成してまいります。
 社会全体の中で規範意識や倫理観の低下が広がる今、
子供たちには、社会的自立と思いやりや、命を大切にす
る心などを育むことが求められています。
 各学校においては、子供たちが、ふるさと黒松内を福
祉の心に満ちあふれ、心豊かな生活を営めるやさしい社
会にする担い手となることを目的として、福祉教育とと
もに、道徳教育の推進に努めます。
 時代が求めるグローバル化に伴い、今以上に国際理解
教育がますます重要になっています。
 国際交流協力員につきましては、学校での外国語活動
や英会話教室の指導者としてのみならず「心の教育相談
員」としての役割も一層大きくなっていることから、現
状の体制を継続してまいります。
 また、いじめは児童生徒の人間性を否定する人権侵害
であります。根絶に向け、「黒松内町いじめ防止基本方
針」の下に、「子ども会議」の開催や関係機関と連携し、アンケート調査や教育相談等を定期的に実施いたします。

 校長が、いじめや不登校の未然防止や早期発見、早期
対応、解決に向けた取組などにリーダーシップを発揮できる校内体制を、より充実させてまいります。
 スクールカウンセラーによる支援を継続し、児童生徒
の困り感や不安に対して学校と連携した対応により、豊
かな心と態度の育成に努めてまいります。
 体力は、人間の活動の源であり、健康の維持といった
身体面のほか、意欲や気力といった精神面の充実に大き
く関わっています。
 このため、子供の頃から各発達段階に応じて体力の向
上、健康の確保を図ってまいります。
 多くの児童生徒がスポーツに親しみ、家族ぐるみで健
康増進が図られるよう、授業や事業の展開に努めてまい
ります。
 子供の食育指導については、黒松内町食育推進計画に
基づき、学校の教育活動全体を通じて総合的に推進して
まいります。
 各学校においては給食担当教諭と連携を図り、給食指
導や教科指導に栄養教諭が積極的に関わるとともに、保
護者にも協力を求め、食への感謝や望ましい食習慣を身
に付けさせるなど、計画的な食育指導を推進してまいり
ます。
 さらに、食育の一環として地域の食材を使用するとと
もに、衛生管理を徹底し、安全・安心でおいしい学校給
食の提供に努めてまいります。
 学校給食費につきましては、保護者の経済的負担を軽
減し、家庭生活環境の向上及び子育て環境づくりを支援
するため、無償化を実施いたします。

 

( 3 ) 負託に応える学校づくり
 教育は人なりと言われている中、教員の資質・能力が
問われております。
 児童生徒に質の高い教育を保障するには、直接の担い
手である教職員の授業力や問題行動等の未然防止につな
がる予防、開発的な生徒指導力の資質・能力の向上が求
められています。
 また、社会の急速な変化の中で、教職員が実践的指導
力等を高めるとともに、知識・技能の絶えざる刷新が必
要であることから、教職員自らが探求力を持ち、学び続
ける存在であることが不可欠であります。
 主体的・対話的な深い学び( アクティブラーニング)
を深めていくことは、社会人になった後も、社会の変化
に対応し、困難な状況に置かれても容易にあきらめるこ
となく課題の解決に向け粘り強く取り組む子供たちの育
成に力を発揮するものと考えます。
 教職員の資質向上のため、学習指導はもとより、人間
関係の構築能力やコミュニケーション能力の育成など、
教育課程に対応した専門性と実践的指導力を高めるため、校内研修を充実するとともに、各種研修会への参加を推奨してまいります。
 校長、教頭の管理職研修においては、不祥事を引き起
こさないための法令遵守の認識と自覚、教職員への直接
的な指導の在り方や、教職員が自信と誇りを持って職務
に当たるようにするための研修等の実践する力を高める
ため、指導・助言をしてまいります。

 

3 豊かな地域をつくる生涯学習
( 1 ) 生涯学習の推進と文化振興
 町民一人ひとりが自己を磨き、活躍していくための学
びの継続が求められています。あらゆる場所において学
び、その成果を地域社会に生かすことのできる環境づく
りを進めてまいります。
 地域の課題解決に積極的に関わり、町民が自主的に考
え、連帯と共生で活力ある学びと地域づくりを推進する
ため、地域づくり支援員を中心に、今まで学んだ経験や
成果を生かした地域コミュニティの形成に努めてまいり
ます。
 少子化や核家族化が広がり、人間関係や地域連帯感の
希薄化が進み、子供たちの成長にとって大切な原体験や
様々な人々とのふれあいが不足するなどの課題が生じて
いることから、親子ふれあい事業や読書活動を取り入れ
た母親教室、幼児期の家庭教育支援事業の継続開催、P
T A 等との連携による「早寝、早起き、朝ごはん」運動を推進してまいります。
 また、地域全体で子供を育てる環境教育を推進するた
め、ブナセンター等の学習施設や里地里山、朱太川など
の自然資源を活用した各種事業を展開いたします。
 本町では、進学塾や家庭教師といった学校校外の教育
サービスがなく、子育て世代の「子供の将来の教育につ
いての不安」を少しでも解消するため、地域の教育力を
活用しながら、町営塾「ぶなっこ学習センター」の開設
に向けた準備の年といたします。

 学習センターに、「学びのコーディネーター」を配置
し、学校と連携しながら、子供のふるさと学習を含めた
学習支援に取り組みます。
 昨年度まで、学社融合事業で行ってまいりました「世
界文化遺産・西予市交流体験学習」を、社会教育の事業
として、中学2 年生を対象に実施してまいります。
 子供に限らず、大人も知・徳・体の調和のとれた力を養
うことは大切です。健康を維持して必要な知識・技能を
学び、人生の可能性を広げて新たなステージでの活躍を
期待するものです。
 生活や価値観の多様化に伴い、暮らしの中にゆとりや
潤いといった「心の豊かさ」を求める気運が高まりを見
せています。
 町民の多様な学習ニーズを的確に把握し、質の高い学
習機会を提供するとともに、自主的な活動を積極的に支
援することで、心豊かで活力ある地域の実現に向けた取
組を進めてまいります。
 自主的・自発的な文化活動、個性的な地域文化の創造
を促すため、文化団体連絡協議会などが主催する文化祭
や各種文化事業などの活動を継続支援するとともに、指
導者の養成、リーダーの発掘、新たな文化の創造に努め
てまいります。
 郷土の近代生活史や文化、失われつつある生活民具な
ど貴重な資料に目を向け、再評価や伝承につながる学習
機会を設けるなど、郷土資料保存サークルとともに、地
域文化の保存・活用に引き続き努めてまいります。

 本町の読書活動の中心的施設であり、生涯学習の拠点
施設でもあるふれあいの森情報館マナヴェールでは、子
供にとっての読書は、読む力や考える力、想像力や判断
力、表現力や感性を養い、豊かな心の形成に必要なもの
であるとの認識を持ち、運営を支える「友の会」との協
働事業を引き続き展開してまいります。
 環境教育と体験型の交流施設を担うブナセンターは、
今まで、ブナ北限の里ならではの地域文化の創出を目指
し、自然環境の保全・調査を通じた多様な学習を展開し
てまいりました。さらに、その活動を充実させるために
環境教育指導員を1 名増員いたします。
 また、ブナ林をキーワードとしたブナ・ウオッチング
ツアーやブナ林再生プロジェクトの取組を、町民有志の
方々との協働により、その活動の充実に努めてまいりま
す。

 

( 2 ) 生涯スポーツの振興と健康づくり
 心身ともに健康で豊かな生活を送ることは、全ての町
民の願いであり、幸福度を実感できるものであります。
スポーツ活動は、あらゆる活動の源であり同時に青少
年の健全育成や地域コミュニティの振興に大きな役割を
果しております。
 スポーツ活動や健康づくりの中核施設である町民待望
の総合体育館が、4 月末に開館の運びとなります。
 町民の交流や子供たちの活動拠点として、また、避難
所機能を併せ持つ多機能を有しており、9 月末を目途に外構を整備いたします。
 スポーツに親しめる運営を目指し、民間事業者の力も
活用した運営体制を充実させるとともに、落成式のほか、5 月2 8 日にはN H K 特別巡回ラジオ体操会を本町で開催するなど、記念事業・大会を進めてまいります。
 また、スポーツ推進委員や体育協会加盟団体の協力に
より、親子による幼少期の運動の環境づくり、児童生徒
の多様なスポーツ体験の場づくり、スポーツ少年団活動
への支援、指導者の育成と指導力の向上にも努めてまい
ります。
 全道シニア& レディースパークゴルフ選手権大会につ
きましては、芝張り替え工事のため、白井川コース一会
場で実施いたします。
 オートキャンプ場では、キャンパーの満足度を高める
ためカーサイトを環境整備し、また、魅力ある運営方法
やアウトドア資源の掘り起こしを探り、より多い集客が
図られるよう専門家の助言をいただいてまいります。

 そのためには、行政のみならず、学校、各関係機関・
団体との連携を図り、子供の未来をはぐくむ家庭教育、
子供の心を育てる学校教育、そして、豊かな地域をつく
る生涯学習を推進させ、本町教育の更なる充実・発展に
取り組んでまいります。
 町民の皆様及び議員各位の御理解と御協力をお願い申
し上げます。

 

Ⅲ おわりに
 以上、平成2 9 年度の教育行政執行方針について申し上げました。
 未来を担う子供たちが、失敗や困難に屈することなく、先人のたくましい開拓の心と緑に囲まれた美しい自然を受け継いで、ふるさと黒松内を愛し、夢を抱き世界に向かって羽ばたく心を育てることは、社会の責任です。そのためには、行政のみならず、学校、各関係機関・団体との連携を図り、子供の未来をはぐくむ家庭教育、子供の心を育てる学校教育、そして、豊かな地域をつくる生涯学習を推進させ、本町教育の更なる充実・発展に取り組んでまいります。
 町民の皆様及び議員各位の御理解と御協力をお願い申
し上げます。

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平成28年度 教育行政執行方針
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