平成30年度黒松内町教育行政執行方針

 Ⅰ はじめに

 

教育に求められているものは、自立した人間として主体的に判断し、多様な人々と協働しながら新たな価値を創造する人材を育成していくことであり、一人ひとりが活躍し、豊かで安心して暮らせる社会の実現と、社会の持続的な成長・発展を目指していくことであります。

 

本町においては、特異で優れた自然、人の魅力、そしてまちが歩んだ軌跡を踏まえた時代に流されない持続可能なまちづくりを支える人材育成に努めるとともに、地域で家庭を支援し安心して子育てができる環境づくり、子供の心と学びを育てる学校教育、学び合いを通した地域づくりを、黒松内町教育大綱を基に町長部局と連携して教育施策を進めてまいります。

  

Ⅱ 主要施策の展開

 

次に、平成30年度の主要な施策について申し上げます。

  

1 子供の未来をはぐくむ家庭教育

  全ての教育の出発点である家庭教育の充実を目指し、子供の社会性や自立心などの育ちをめぐる課題に地域全

 体で向き合い、親子の育ちを支えていきます。

 

 幼児期から学齢期まで連続性のある質の高い子育て支援を提供し、子育て支援グループを中心に町民のニーズに寄り添った支援を進めてまいります。

 

 黒松内保育園及び地域子育て支援センターとも連携を深め、当事者目線の寄り添い型の支援を実施してまいります。

  利用者支援事業として、訪問型子育て支援を実施します。子育て家庭を訪問し、育児不安等に対して「傾聴」「対話」「助言」活動を行い、保育施設や地域の子育て支援の情報を提供し、活動してまいります。

 

 障がいのある子供についても、一人ひとりの障がいの状態やニーズに応じて、その可能性を最大限に伸ばし、自立と社会参加に必要な力を培う特別支援教育を進めるとともに、すべての子供が障がいについて正しい知識を持ち、違いを認め合う、適切な指導や支援を切れ目なく提供してまいります。

  子供たちが、様々な人々とかかわり、多様な経験を重ねながら、たくましく成長していくためには、学校・家庭・地域がそれぞれに持つ教育力を生かしながら、子供たちの安全確保や非行防止に努め、青少年の健全育成の充実を図ります。 

 

2 子供の心を育てる学校教育

 

(1) 「生きる力」の育成       

 

子供たちが、これからの時代を生き抜く力を身に付けるためには、「社会に開かれた教育課程」の理念を踏まえ、授業改善を進めるとともに、教育効果を高める「カリキュラム・マネジメント」を実践することが重要です。 

 このため、学校運営の改善・充実や、地域と学校の結びつきにも有効な「コミュニティ・スクール」を黒松内中学校に導入します。 

 

「確かな学力」「健やかな体」「豊かな心」を総合的にとらえ、深く学びたい子にはより深く学ぶ場を設け、社会における様々な場面で活用できる力を育てるため、児童生徒の実態に合わせた基礎学力の定着と学習意欲の向上のため町営塾を本格実施し、その充実を図ります。

 

 3年目となるICT環境整備につきましては、多様な学習と子供の能力に応じて自在にICTを活用しながら授業づくりを行い、学習面と校務面の両面で積極的な活用を図ります。また、情報セキュリティを確保し、その整備を確実に進めてまいります。

 

小学校における英語の教科化に向けて、平成30年度からの円滑な移行を進めるとともに、外国語講師1名を増員し、現在おります国際交流協力員と連携し対応してまいります。

 

 

(2) 地域と共にある教育の推進

 

子供の「生きる力」を育むための教育は、学校だけで行われるものではなく、学校・家庭・地域が相互に連携しつつ、社会全体で取り組むことが不可欠です。

そのためにも、地域社会とつながりのある教育課程の編成や授業の展開が可能になるような条件整備に努めてまいります。

その運営主体となるコミュニティ・スクールは、黒松内中学校を推進校として、既に取り組まれている学社融合共通理解事業や地域学校協働本部等を踏まえ、学校と地域との組織的・継続的な連携・協働体制を確立してまいります。

  

 

本町には、「本物で学ぶ」ことができる教育素材の資源が多くあり、学校における系統的で継続的な学習を展開するために必要な情報を提供し、小中連携した教育を推進しながら、自ら育った黒松内の良さを実感する児童生徒を育成してまいります。

 

 社会全体の中で規範意識や倫理観の低下が広がる今、子供たちには、社会的自立と思いやりや、命を大切にする心などを育むことが求められています。

 

 本町に防災専任職員が新たに配置されることから、担当課と連携しながら、各学年に応じた防災教育の推進を進めてまいります。

  各学校においては、子供たちが、ふるさと黒松内を福祉の心に満ちあふれ、心豊かな生活を営めるやさしい社会の担い手となることを目的として、福祉教育とともに、道徳教育の推進に努めます。

  また、いじめは児童生徒の人間性を否定する人権侵害であります。根絶に向け、「黒松内町いじめ防止基本方針」の下に、「子ども会議」の開催や関係機関と連携し、アンケート調査や教育相談等を定期的に実施いたします。

 いじめや不登校の未然防止や早期発見、早期対応、解決に向けた校内体制の充実を図るべく、豊かな心を育む教育やいじめ問題等への取組を進めます。

  

スクールカウンセラーによる支援を継続し、児童生徒の困り感や不安に対して学校と連携した対応により、豊かな心と態度の育成に努めてまいります。

 

 

 

体力は、人間の活動の源であり、健康の維持といった身体面のほか、意欲や気力といった精神面の充実に大きく関わっています。このため、子供の頃から各発達段階に応じた体力の向上、健康の確保を図ります。

 多くの児童生徒がスポーツに親しみ、家族ぐるみで健康増進が図られるよう、授業や事業の展開に努めてまいります。

 

子供の食育の取組については、黒松内町食育推進計画に基づき、各学校においては給食担当教諭と連携を図り、給食指導や教科指導に栄養教諭が積極的に関わるとともに、保護者にも協力を求め、食への感謝や望ましい食習慣を身に付けさせるなど、計画的な食育指導を推進してまいります。 

 

さらに、昨年度から開始した学校給食費補助金を引き続き実施するとともに、食育の一環として地域食材の使用や衛生管理を徹底し、安全・安心でおいしい学校給食の提供に努めてまいります。

 

(3) 負託に応える学校づくり

 

児童生徒に質の高い教育を保障するには、直接の担い手である教職員の授業力や問題行動等の未然防止につながる予防、開発的な生徒指導力の資質・能力の向上が求められています。

  

教職員の資質向上のため、学習指導はもとより、人間関係の構築能力やコミュニケーション能力の育成など、教育課程に対応した専門性と実践的指導力を高めるため、校内研修を充実するとともに、各種研修会への参加を推奨してまいります。

 

さらに、職場のコミュニケーションづくりに努め、教職員の指導力の向上と人材育成、児童生徒に還元される学校運営の構築に努めます。

 

教職員の不祥事の根絶に向け、服務に関する研修資料を効果的に活用し、一層の充実を図ります。

 

3 豊かな地域をつくる生涯学習

 

(1) 生涯学習の推進と文化振興

 

町民一人ひとりが自己を磨き、活躍していくための学びの継続が求められています。あらゆる場所において学び、その成果を地域社会に生かすことのできる環境づくりを進めてまいります。

 

地域の課題解決に積極的に関わり、町民が自主的に考え、連帯と共生で活力ある学びと地域づくりを推進するため、地域づくり支援員を中心に、今まで学んだ経験や成果を生かした地域コミュニティの形成に努めてまいります。

 

少子化や核家族化が広がり、人間関係や地域連帯感の希薄化が進み、子供たちの成長にとって大切な原体験や様々な人々とのふれあいが不足するなどの課題が生じていることから、親子ふれあい事業や読書活動を取り入れた幼児期の家庭教育支援事業の継続開催、PTA等との連携による「早寝、早起き、朝ごはん」運動を推進してまいります。

 

 また、地域全体で子供を育てる環境教育を推進するため、ブナセンター等の学習施設や里地里山、朱太川などの自然資源を活用した各種事業を展開いたします。

 

本町では、進学塾や家庭教師といった学校外の教育サービスがなく、子育て世代の「子供の将来の教育についての不安」を少しでも解消するため、地域の教育力を活用しながら、町営塾「ぶなっこ学習センター」を東京理科大学の御協力をいただき本格的に実施してまいります。

  子供に限らず、大人も知・徳・体の調和のとれた力を養うことは大切です。健康を維持して必要な知識・技能を学び、人生の可能性を広げて新たなステージでの活躍を期待するものです。

  町民の多様な学習ニーズを的確に把握し、質の高い学習機会を提供するとともに、自主的な活動を積極的に支援することで、心豊かで活力ある地域の実現に向けた取組を進めてまいります。

自主的・自発的な文化活動、個性的な地域文化の創造を促すため、文化団体連絡協議会などが主催する文化祭や各種文化事業などの活動を継続支援するとともに、指導者の養成、リーダーの発掘、新たな文化の創造に努めてまいります。 

郷土の近代生活史や文化、失われつつある生活民具など貴重な資料に目を向け、再評価や伝承につながる学習機会を設けるほか、専門家より収集した郷土品等の整理手法の助言を受け、郷土資料保存サークルとともに地域文化の保存・活用に引き続き努めてまいります。

  本町の読書活動の中心的施設であり、生涯学習の拠点施設でもあるふれあいの森情報館では、子供にとっての読書は、読む力や考える力、想像力や判断力、表現力や感性を養い、豊かな心の形成に必要なものであるとの認識を持ち、運営を支える「友の会」との協働事業を引き続き展開してまいります。

 

ブナセンターでは環境教育と体験型の交流を担っており、本年は、町のシンボルでもある歌才ブナ林が天然記念物指定90周年を迎えることから、その中心となり各種団体の協力をいただき関連事業を開催いたします。

記念セレモニーを含むキックオフイベントを皮切りに天然記念物に指定された1022日の前後を記念週間に位置付け100周年に向かうその一歩として子供たちとまちづくりの視点をもちブナ林観察会やフォーラムなど各種記念事業に取り組みます。

 

 以上の施策をより一層充実させるため、平成30年度から32年度までの3か年北海道より社会教育主事1名の派遣を受け、取り組んでまいります。

  

 

(2) 生涯スポーツの振興と健康づくり

  心身ともに健康で豊かな生活を送ることは、すべての町民の願いであり、幸福度を実感できるものであります。

 スポーツ推進委員や体育協会加盟団体の協力により、親子による幼少期の運動の環境づくり、児童生徒の多様なスポーツ体験の場づくり、スポーツ少年団活動への支援、中高齢者の運動する機会づくりや指導者の育成と指導力の向上にも努めてまいります。 

  町民待望の総合体育館が昨年4月に開館し、多くの町民がスポーツや健康づくりに訪れています。また、コミュニティサロンでは、住民グループによる町民同士のふれあいの場づくりが生まれています。

オートキャンプ場では、キャンパーの満足度を高めるためカーサイトの環境整備、また、魅力ある運営方法やアウトドア資源の掘り起こしを探り、観光協会を始めとしてほかの交流施設との連携を図り充実させてまいります。

 

Ⅲ おわりに

 

 以上、平成30年度の教育行政執行方針について申し上げました。

 

 未来を担う子供たちが、失敗や困難に屈することなく、先人のたくましい開拓の心と緑に囲まれた美しい自然を受け継いで、ふるさと黒松内を愛し、夢を抱き世界に向かって羽ばたく心を育てることは、社会の責任です。

 

そのためには、行政のみならず、学校、各関係機関・団体との連携を図り、子供の未来をはぐくむ家庭教育、そして豊かな地域をつくる生涯学習を推進させ、本町教育の更なる充実・発展に取り組んでまいります。

 

町民の皆様及び議員各位の御理解と御協力をお願い申し上げます。

 

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